派遣法Q&A

企業担当者の皆様からご照会の多いご質問にお答えします。

Q 「派遣」と「請負」とは何が違うのですか。
A 派遣と請負との大きな違いは、「派遣」は派遣先と雇用関係にある派遣労働者が、派遣先の社員から直接指示(指揮命令)を受けて派遣先のために労働に従事する制度です。一方、「請負」は請負った事業者が注文主から独立して請負業者と雇用関係にある労働者に対する業務指示や労務管理を行います。
上記以外にも両者の違いはいろいろとあり、厚生労働省では「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)を定め、労働者派遣事業の適正な運営確保のために両者の区分を具体的に示しています。
なおここでいう「請負」は、仕事の完成を目的とする場合(民法第632条の請負契約の場合)と、事務処理を目的とする場合(民法第 643条の委任契約もしくは第656条の準委任契約の場合)の2つを含めて使われます(同じ意味で「業務委託」の言葉が用いられることもあります)。

「派遣」と「請負」とは何が違うのですか。

Q 関連会社への出向社員を派遣して欲しいのですが。(二重派遣)
A 派遣先が派遣スタッフを別の会社に出向又は就業(派遣契約締結)させることは、いわゆる「二重派遣」に相当します。
派遣先と雇用関係のない派遣スタッフを別会社に出向させることは、職業安定法第44条で禁止する「労働者供給事業」に該当するとして、関係者が処罰される可能性あります(職業安定法第64条)。

(二重派遣)
二重派遣

Q 派遣受入れができない業務はありますか?
A 次の業務は派遣をする事ができません。
  1. 港湾運送業務
  2. 建設業務
  3. 警備業務
  4. 医療行為の業務(病院で行われる医療行為等)
  5. 労使協議等使用者側の当事者として行う業務
  6. 弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、社会保険労務士などのいわゆる「士」業
上記1.~6.の業務の派遣が禁止されている背景
(1)港湾建設業務
港湾運送業務の流動性等にかんがみ、港湾労働法において特別の雇用調整制度が設けられており、労働力の需給調整はその制度の適切な運用、あるいはその改善、充実を図ることにより対応すべきであって、労働者派遣事業という新たな需給システムを導入する必要はなく、また雇用政策全体としての整合性にも欠け適当でないためです。
(2)建設業務
建設業界では、重層的な請負関係の下で業務処理が行なわれています。それを前提として建設労働者の雇用の改善等に関する法律により、請負形態として雇用関係の明確化、雇用管理の近代化等の雇用改善を図るための措置が講ぜられています。そのため労働者派遣システムを導入することは雇用改善を図る上でかえって悪影響を及ぼすことになり適当ではないためです。
適用除外となる建設の業務は、土木建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業またはこれらの作業の準備に係る業務(改正労働者派遣法第4条1項2号)をいいますが、この業務は建設工事の現場において、直接にこれらの作業に従事するものに限られます。
従って設計、積算、施工管理(工程管理を含みます。)などの業務は労働者派遣事業の対象となります。
(3)警備業務
警備業法が定められており、それにもとづき業務が行われている等のため当該業務の適正な実施を確保するためには、労働者派遣事業として行なわせることが不適当と認められるためです。
(4)病院等における医療関係の業務
医療関係業務のうち次の場合は派遣の受入れが可能です。
  • 紹介予定派遣の場合
  • 産前・産後、育児、介護休業をする労働者の代替
  • 社会福祉施設等の医療機関業務
(5)人事労務管理関係のうち、企業において団体交渉又は労働基準法に規定する協定締結等のための労使協議の際に、使用者側の直接当事者として行う業務
この業務を行なわないことが、労働者派遣事業の許可基準になっているため行うことができません。
(6)士業(弁護士、外国法事弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士又は行政書士、公認会計士、弁理士、建築士事務所内の管理建築士等)の業務
その他、他の法令との関連から派遣スタッフが行ってはならない業務になることがありますので、注意が必要です。
Q いわゆる26業務や自由化業務、禁止業務とはどのような業務が該当するのですか?
A  
26業務 いわゆる自由化業務 禁止業務
1号:情報処理システム開発
2号:機械設計
3号:放送機器操作
4号:放送番組等の制作
5号:機器操作
6号:通訳・翻訳・速記
7号:秘書
8号:ファイリング
9号:調査
10号:財務
11号:取引文書作成
12号:デモンストレーション
13号:添乗
14号:建築物清掃
15号:建築設備運転等
16号:受付・案内・駐車場管理等
17号:研究開発
18号:事業の実施体制の企画・立案
19号:書籍等の制作・編集
20号:広告デザイン
21号:インテリアコーディネーター
22号:アナウンサー
23号:OAインストラクション
24号:テレマーケティングの営業
25号:セールスエンジニアの営業 、金融商品の営業
26号:放送番組等における
大道具・小道具
政令で定める26業務および、禁止業務以外の業務
  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 病院等における医療関係の業務
    (社会福祉施設等は除く)
  • 労使協議等使用者側の当事者として行う業務
  • 「士」業弁護士、司法書士、税理士、 公認会計士、社会保険労務士等
Q 業務の種類による派遣期間とその期間を超えた場合等の義務はどうなりますか?
A 以下の表のようになります。

■派遣期間に制限のない業務

業務の種類 派遣期間 期間後の義務
26業務
 
 
制限なし
 
同一就業場所・同一業務で3年を超えて受入れている派遣スタッフと同一の業務に、派遣先が新たに労働者を雇入れようとする場合は直接雇用義務あり
いわゆる3年以内の「有期プロジェクト」業務
 
プロジェクト期限内は制限なし
日数限定業務
 
制限なし
産前産後休業、育児休業等を取得する労働者の業務 休業取得者が職場復帰するまで制限なし
(休業期間+引継期間)
介護休業等を取得する労働者の業務
 
同上
複合業務

 
制限なし

■派遣期間に制限のある業務

業務の種類 派遣期間 期間後の義務
自由化業務

最長3年(1年を超える場合は意見聴取を行う必要がある) 派遣受入れ期間制限を超えて派遣スタッフを使用する場合は直接雇用義務あり
複合業務(派遣受入れ期間の制限がある業務が1割を超える場合) 最長3年(1年を超える場合は意見聴取を行う必要がある)
中高年齢者(45歳以上)の派遣労働者のみを従事させる業務 3年(平成17年3月末までの特例)
Q 複合業務で派遣期間に制限がないのは、どのような場合ですか?
A 派遣期間の制限がない業務と派遣期間の制限がある業務を併せて行なう場合(いわゆる複合業務)については、派遣期間の制限がある業務の割合が1割以下の場合、全体として派遣期間の制限を受けない業務として取扱うことができます。
Q 「労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない(法第26条7項)」とされていますが、具体的にはどのような行為が該当するのでしょうか。 ?
A 派遣先による派遣労働者特定行為の具体例については、派遣先が講ずべき措置に関する指針(以下派遣先指針といいます)に以下のように定められています。
派遣先は
  1. 労働者派遣に先立って面接すること(要望すること)
  2. 派遣先に対して当該労働者に係る履歴書の送付を要望すること
  3. 派遣労働者として派遣されてくる労働者を若年者に限ることとするような要望を派遣元に呈示すること

上記は例示であり、これら以外にも派遣労働者を特定しているとみなされる行為は禁止されます


↑このページのトップへ